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日記・仕事・回想・コラム・レビュー・レポート・小説&詩篇集/金沢のもくれん院長の気儘ブログ
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紅葉の季節_ なので

先頃、熱海市を代表する観光スポット「貫一とお宮の像」に暴力を肯定するものではないという主旨のプレートが設置された。その像は、明治の文豪、尾崎紅葉の「金色夜叉」の名シーンを写したものだ。貧乏学生の貫一が「来年の今月今夜、この月を僕の涙で曇らせてみせる」と言って、お金持ちの家に嫁入りするお宮を足蹴にする場面はあまりに有名。

市によると、建立当時からも様々な方面から「女性蔑視」の像だとの意見があったらしいが、東京オリンピックを4年後に控え、また海外からの旅行者が増えつつあるここにきて、ある女性の大学教授から強い抗議文が市長宛に届いたらしい。それがきっかけとなり協議が再開され、ついにはこのようなプレートが設置されることになったとのこと。そのプレートには外国人観光客の誤解を招かぬよう日本語だけでなく同意の英文が表記されているらしい。

確かに女性を蹴りつける男性の姿は見る者に強烈な印象を与える。海外旅行者が急増している昨今、何も知らない外国人観光客がこの像を観て、不快に感じることもあるだろう。しかし、この像は、「金色夜叉」という作品のなかに都心からも程近い休養地である熱海が登場し、そのお蔭で熱海の浴客が増加、財政的にも潤うようになった。そのため、熱海の象徴として中心地に建立されただけではないのか。尾崎紅葉への、そして銅像作者への敬意が感じられない措置に対して多少不満はあるものの、誤解への危惧があるというのだからプレート設置については致し方ないのかもしれないが。。

しかし、これを取り上げたテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」には驚いた。コメンテーターの玉川徹氏は、「『日本も100年前は男性がこうやって女性に暴力を振るうような国でした』って入れればいいんじゃないですか」と語り、日本在住54年のC・W・ニコル氏のコメントとして、「男性が女性を蹴ることは許せない。たとえ、文学作品の一部だとしても許せない。撤去したほうがいい」という極端な意見まで伝えていたという。意見は様々あっていいとは思うが、外国人観光客に対してそこまで阿る必要があるのかという気がするし、まずは、銅像が建てられた経緯や理由を知ってもらう手立ての方が先だろうという気がする。芸術作品はその国の歴史、文化を象徴するもの。現代の価値観から見て、それが適切とは言い切れない場合でも一定の評価をする必要があるのではないのかな。それでなければ芸術は後世に残せないと思うのだ。

この一件で、取材を受けたボランティアガイド、リチャード田中さんはこう答えている。

「像に立ち寄る外国人観光客は台湾や中国からのお客さんがほとんどです。像の説明をすると皆さん納得されますし、ポーズを真似て記念写真を撮ることも多い。カップルの場合、だいたい8割は女性が男性を足蹴にしています(笑)。問題視した人は今まで誰もいません。(プレート設置を取り上げた)番組は見ていませんが、実情も知らずに無責任なことを言っていたんじゃないでしょうか」

この騒動を取材したフリーライター清水氏はこう記事にまとめている。「外国人ならこう思うに違いない」と勝手に忖度した日本人が騒ぐという、よくある構図が透けて見えると_ なるほどね。



この一件で、リチャード田中さんの語り口は変わってゆくのかな。

    (ライブドアニュースより一部引用)