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「人生の約束」を観て

会社の拡大にしか興味の無いIT関連企業CEO・中原祐馬(竹野内豊)の携帯に、共に起業しながらも会社を追い出す形で決別してしまった、かつての親友・航平から、ここ数日、何度も着信があった。胸騒ぎを覚えた祐馬が航平の故郷へ向かうと、そこで待っていたのは予期せぬ親友の死だった。町内会長の西村玄太郎(西田敏行)に話を聞くと、病に冒され余命僅かだった航平は、最後に曳山につながりたいと故郷の土を踏んでいた。事態を飲み込めない祐馬が線香をあげようとするも、航平の義兄・鉄也(江口洋介)は会社を追い出したあげく、航平からの電話を無視し続けた祐馬を許すことが出来ず、殴りかかってしまう。故人を惜しむ場が荒れるのを防いだのは、航平の忘れ形見ともいえる娘・瞳(髙橋ひかる)の落ち着いた対応だった。かつての親友に子どもがいたことに驚く祐馬は、自分に何か出来ることはないかと瞳に聞くと、物憂げな瞳が重たい口を開いた。「西町から四十物町の曳山を取り返してくれますか?」。航平の故郷・富山県の新湊(しんみなと)にある四十物町(あいものちょう)では、前代未聞の曳山譲渡に町が揺れており、約束を反故にした新興の西町に、航平は最期を迎える瞬間まで抗議をしていたのだ。一方、東京では祐馬の会社が不正取引の疑いで強制捜査を受け、祐馬は会社や仲間だけでなく、全てを失ってしまうことに。一人になってしまった祐馬だったが、たった一つだけ残ったもの、瞳との約束を守るため再び新湊に向かうと、そこでは祭りがすぐ間近に迫っていた―。

※上記あらすじは東宝ウエブサイトより引用

新湊の街並み、生活感溢れる漁港の風景なかに曳山まつりに情熱を燃やす人々が魅力的に描かれ、田舎育ちの私には郷愁ととともにどこか共感できるものがあった。金沢からもそう遠くないので機会があれば一度訪れてみたい。映画製作にあたり「曳山まつり」をほぼ変わりなく再現、撮影に臨んでいるので、まさに今、祭りのなかにいるような感が味わえる。その土地土地の風土や風習が情景として描かれている映画は嫌いでないし、ましてや祭事はその集約と言ってもいい最たるものだから、映画の舞台としてはパーフェクトなのである。

俳優陣が其々の役柄を魅力的に演じていたので飽きずに観れた。だが、ストーリーに関しては今一歩。祐馬と航平が曳山を介して「つながり」を取り戻すというお話なのだが、祐馬の部下沢井や秘書の由希子の思い出のなかでしか航平が語られず、その人となりが直接的に伝わってこない。それが原因なのか、祐馬の心の在り様に思いを重ね切れなかった感がある。

また、亡き航平とひとり娘の瞳、ふたりの「つながり」においても同様に航平が見えてこない。瞳が祐馬に曳山を取り戻してほしいと口走るシーン。あれは亡き父の思いを叶えたいと思ったのか、悲嘆に暮れる鉄也たちを慮ってのことだったのか、単に四十物町に暮らすひとりとしてそう願ったのか、釈然としない。母をひとりぽっちにさせていた父を許せずいつまでも父のことを「あのひと」と呼んでいた瞳なのに、である。つまるところ、祐馬を新湊に呼び寄せたのは他でもない瞳だから、彼女はこころのどこかで亡き父と繋がりたくてしょうがなかったとみるべきなのか。航平の影が薄すぎて関係する人物の心の機微が推し量れず、互いの絆やつながりまでをも曖昧なものにしてしまっている。

それはそうとして、竹野内豊演じる都会的な祐馬と野性味を備えた江口洋介の鉄也がどちらも格好良くて、あっちの気は毛頭ないが、見惚れてしまった。男の優しさとか男意気、総じて男の色気みたいなものが映画の底流にありその象徴が曳山なのだろう。最後にひと言、小池栄子は本当にいい女優になった。今回もなかなかいい味出していた。こういう役にはもってこいの女優だと思う。

男優、女優を際立たせて点数を稼いでいるところはテレビドラマのようでもある。



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私どもの営むサロンには富山からお越しのお客様もおられます。評判のお店があるので新湊にお越しの際には「是非行かれっちゃ」とのことでした。 割烹かわぐち 新鮮なお魚がいただけるそうで。ランチもやってるので、私たちも足を延してみようと思ってます。