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常盤滝不動尊

浅野川沿いを天神橋から車で対向車を気にしながら徐行運転で進む。常盤橋のたもとに車を停め、旧ごりや前の路地を山手に歩くと 程なく常盤滝不動尊の入り口が見えてきた。

常盤不動尊

切り立った崖の斜面に鬱蒼とした樹木。人を恐れない丸々としたカラスが高所より我々の様子を窺っている。なんとも形容のし難い独特の空気が充満するその一画に恐る恐る足を踏み入れた。奥手には滝が水を落としている。ものの気の気配か鳥の羽音か、ざわとして木漏れ日が揺らぎ、慄くように天を仰ぐとその円空は青く、羽をもがれ深い壺に落とされた虫けらにでもなったような気分になる。不動明王が憤怒の形相であるのは、最も救いがたい煩悩を抱える衆生をも力ずくで救おうとされるからという。なるほど、空恋しやと鳴き嘆く虫にも似たこんな閉塞感に襲われるとは、哀しいかな、わが身は多分に煩悩のかたまりなのだろう。もし、邪悪なるものがあるとすれば、水飛沫とともに流れ落ちることを祈りたい。

常盤滝500
奥手は滝。崖の頂にはお不動様が鎮座しておられます。 

滝の横には洞穴の形跡。過去には幾人もの修行僧がここに留まって荒行を行ったのだろうか。 ただ、長い年月の間に水脈が変わり水量も消失してしまったのか、現在、水の落ちる勢いにほとばしるような強さは感じられない。

この滝からの水が今登ってきた路地の脇にせせらぎを造り、浅野川に流れ出ている。小川と小路を挟んで並ぶ人気のない人家を横目に元来た道を戻る。

常盤橋にて500

路地を抜け、常盤橋の中央に立つ。川面に秋の風がそよぎ、雲が悠然と通り過ぎてゆく。手を伸ばすと雲に手が届きそうだ。空はどこまでも青く、清々しさが身を包む。  かたまりの一部が流れ落ちたのかもしれない。