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日記・仕事・回想・コラム・レビュー・レポート・小説&詩篇集/金沢のもくれん院長の気儘ブログ
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「長い長い殺人」を観て

暴走車に轢かれ、頭部を殴打された男の死体が発見された。被害者の妻・法子(伊藤裕子)は愛人がいる派手好きな女、しかも夫に3億円の保険金をかけていたことが発覚する。世間やマスコミは法子と愛人・塚田(谷原章介)に疑惑の目を向けるが、2人のアリバイは完璧だった。そして事件を担当する所轄刑事の響(長塚京三)、探偵の河野(仲村トオル)は不可解な連続殺人事件へ巻き込まれていく。(C)2007 WOWOW INC.

原作は売れっ子のミステリー作家、宮部みゆき。面白いのはストーリーというより構成。キーパーソンとなる登場人物がどのように事件に拘わっているのかをその人物が携帯している財布の目線で語られるところ。例えば、第1章では響刑事の財布、第2章では塚田の妻を叔母に持つ少年の財布、第3章では塚田の正体を暴こうとする探偵河野の財布、といったように。各章におけるキーパーソンを主人として一人称で事件を語ってゆく其々の財布達だが、どれもその人物にどこか似て個性的なところにも、なるほど、こんな描き方があるのかと感心した次第。だが、個人的には好きになれない。各章ごとに話が切り替わる分だけ見ていて疲れるし、主人公もその都度切り替わるので気持ちが登場人物に入っていかない。最後の結末も尻切れトンボ。どんでん返しの真犯人も犯人に成りすます大学生も、もしかするといらないんじゃないかと。それより塚田がいったいどんな人物なのかをもっと掘り下げた方が面白いのでは?と思ってしまう。そういう意味では、塚田の旧友、大森南朋演じる教師宮崎がキーパーソンとなる第五章が自分のなかでは一番盛り上がった。その第五章では塚田と宮崎の人間性が対照的に描かれており、また人を信じる事とはどういうことなのかというメッセージが隠されているのだ。






宮部みゆきの小説は長いのでいつも書店での購入を躊躇するのだけど、映像なら受動的だしいいかなと。。読んでも鑑ていなかった作品です。長い長い殺人というより「長い長い小説」ですねー