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日記・仕事・回想・コラム・レビュー・レポート・小説&詩篇集/金沢のもくれん院長の気儘ブログ
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「あなたが愛した記憶」はホラーだった。

「あなたが愛した記憶」を読んだ。前半部分は主人公と彼を取り巻く登場人物もごくごく自然に描かれており、ありがちな場の設定も物語にリアリティーを持たせる裏技のようにも思えてくる。また、主人公に好意を寄せる女性の存在も物語に色を添えている。映画やドラマを見ているようなワクワク感も魅力的だ。



しかしながら、である。中盤から後半へと読み進めていくうちにこの作品が息詰まるミステリーではなく奇想天外なホラーだと気付く。確かに購入する際の帯にも「恋愛ホラーサスペンス」との謳い文句の記載があった。多少、覚悟はしていたものの この筋立てはホラーというより寧ろオカルトではないかと思えるほどにリアルでない。ホラーが得意の誉田氏と知っての購入であり、ましてや読み物として面白くないわけではないのでモノ申す筋合いのものではないが、多少がっかりしたことは否めない。普通の作家であればここで本を閉じてしまうのだが、そうさせないのは誉田氏の描写力と読みやすい文体にある。流石、旬の人気作家だ。「ストリベリーナイト」 姫川シリーズのようなものもいいが、氏には是非、それを凌ぐほどの超大作、ジャンルでいえば心を抉るようなハードボイルドタッチの社会派ミステリーを描いてほしいと思う。

ネタバレするのであらすじを記述するつもりはない。