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日記・仕事・回想・コラム・レビュー・レポート・小説&詩篇集/金沢のもくれん院長の気儘ブログ 【HALE OLA HOKULANI E KOMO MAI】
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「流れ星の冬」 を読んで

「流れ星の冬」〈新装版〉を読んだ。



男の矜持を胸に見えない敵に戦いを挑むハードボイルド、その真骨頂がいい。この手の小説には珍しく高齢の男を主人公に据えたのも面白い。大学教授の葉山は65才。世間でいえば、老兵死なずとも消え去るのみの心境で後身に道を譲ってもおかしくない年齢だ。その一方で、人生においてやり残したものもみえてもくる。こだわりを持って生きたいという己れの思惑があっても世間との断絶を恐れるがゆえに執着や矜持を手放さざるを得ないこともでてくる。そんな年頃ではないだろうか。

葉山は愛するもののために、男の男たる矜持を胸に刻み、錆びれ衰えてしまった知力体力を奮い立たせ、敵に戦いを挑む。新宿鮫シリーズのように緊迫したシーンは少ないが、そもそもハードボイルドは心の持ち方や生き方を言うのだろうからあえてドンパチやる必要はないのだろう。歳を重ねても葉山のようにカッコよく生きたいものだ。